「DINKsって、離婚しやすいよね」そう言われることがある。
正直、少し気になっていたので調べてみた。
調べてわかったのは、「正確な数字はわからない」ということだ。
よく言われる「5倍」というデータは定義のズレがあるため、DINKsの離婚実態を直接示す数字ではない。
ただ、DINKsに特有の離婚リスクは実在する。だから対策には意味がある。
- よく引用される「子なし離婚率5倍」の正しい読み方
- DINKs特有の離婚リスクと、逆に離婚しにくい構造的な理由
- 結婚4年目の夫婦が「離婚」を口にしなかった理由と、実践していること
DINKs夫婦の離婚率、データではどう出ている?
よく引用される「約5倍」という数字
「子なし夫婦の離婚率は子あり夫婦の約5倍」という数字が、ネット上でよく引用されている。
出所は、2015年の国勢調査と厚生労働省の人口動態調査を組み合わせた民間の試算だ。
| 区分 | 推定世帯数 | 離婚件数 | 推定離婚率 |
|---|---|---|---|
| 子あり夫婦 | 約2,545万組 | 約13万件 | 約0.51% |
| 子なし夫婦 | 約384万組 | 約9.4万件 | 約2.45% |
計算式は合っている。だがこの数字には、大きな注意点がある。
参考:DINKS MAGAZINE「子なし夫婦の離婚率は子育て夫婦の約5倍」
「5倍」データに含まれる重大なズレ
「子なし離婚9.4万件」の中には、子どもがすでに成人・独立した後に離婚した夫婦が大量に含まれている。
一方の「子なし世帯384万組」には、そういった層が十分に含まれていない。
分子(離婚件数)と分母(世帯数)で、「子なし」の定義がズレているのだ。
「5倍」という数字は計算としては成立するが、DINKs夫婦の離婚リスクをそのまま示す数字ではない。
ただ、子なし夫婦の離婚リスクが相対的に高い傾向は、複数のデータから支持されている。
「高い」という方向性は正しい。数字の解釈に慎重であるべき、という話だ。
DINKsが離婚しやすい5つの構造的な理由
データの解釈はさておき、なぜDINKsは離婚リスクが高いとされるのか。
理由は「子どもがいないこと」の構造的な影響に集約される。
① 踏みとどまる理由がない
子どもがいれば、親権・養育費・子どもの生活環境を考えて離婚を踏みとどまることがある。
DINKsにはそのブレーキがない。子どもの養育費・親権を考えなくていい分、関係を解消しやすい構造がある。
② 経済的に自立している
共働きで双方に収入がある。離婚後の生活に不安がない分、決断の障壁が低い。
③ 自由な時間が多い分、外の世界と接点も多い
子育てに時間を取られない分、趣味・仕事・友人付き合いで外の世界と接点が増える。
新しい出会いが生まれやすい環境でもある。
④ 日常がマンネリ化しやすい
子どもの成長という「変化」がない。
ふたりの日常はルーティンになりやすく、パートナーを「ただの同居人」と感じ始めることがある。
⑤「やっぱり子どもが欲しい」問題
これが一番シビアだと思う。
結婚時に「子どもはいらない」と合意していても、年齢を重ねるなかで価値観が変わることがある。
どちらか一方の気持ちが変わったとき、共通の前提が崩れる。
これはDINKs夫婦に特有の、見えにくいリスクだ。
一方で、DINKsが離婚しにくい面もある
離婚リスクを書いてきたが、反対側の話もある。
日本の離婚原因トップと、DINKs夫婦の関係
裁判所の司法統計によると、離婚原因トップは男女ともに「性格の不一致」が長年1位だ。
妻側では次いで暴力・異性関係、夫側では異性関係・浪費が続く。
| 離婚原因 | DINKsの場合 |
|---|---|
| 性格の不一致 | 「子どもを持たない」という大きな合意をして結婚している |
| 経済的な問題 | 共働きで双方に収入がある |
| 精神的な問題 | 時間的余裕があり、追い詰めるストレスが比較的少ない |
「子どもを持たない」という選択を夫婦で合意した経緯が、価値観の土台になっている場合がある。
その出発点の一致は、思ったより大きい。
感情的なつながりが強いという研究もある
25か国・約3,200人を対象とした研究で、子どものいない夫婦のほうが親密さや情熱のスコアが高いという報告がある。
ふたりだけで向き合う時間が多いから、という理由だ。
子育て期の夫婦は「二人だけの会話」が削られやすい。
DINKsは毎日の食事・休日・旅行、すべてが「ふたりの時間」として積み重なっていく。
DINKs夫婦が長続きするために実践できること
リスクがあることは事実だ。ただし対策は存在する。
① 年に1回は「今の気持ち」を確認する
「子どもはいらない」という合意が今も変わっていないか、年に一度は話す機会を作る。
これだけで、どちらか一方が思い悩む状況を防げる。
② 家計を見える化する
共働きなら、お金の不透明感は不信感に直結しやすい。
家計アプリで収支を共有するだけで、モヤモヤの一因が消える。
③ 家事の「総量」を削る——分担より先にやること
夫婦喧嘩の引き金として、家事分担の不満はよく挙がる。
ただ、「公平に分担する」を目指しても、根本的には解決しないことが多い。
量が多いままでは、誰がやるかを決めても消耗は続く。
発想の転換は「分担を最適化する」ではなく、家事の総量を削ることだ。
特に食事は負担が大きいわりに、毎日発生する。
- 献立を考える(意思決定のコスト)
- 買い物・調理・片付け
このサイクルが平日だけで年間約250回繰り返される。共働き夫婦にとって、これが帰宅後の余白を削っていく。
うちで実践しているのは、食事をほぼ「考えない仕組み」にすることだ。
朝はBASE FOOD(ベースフード)で固定、昼はnoshで固定、夜はnoshと自炊のハイブリッド。
3食のうち2食以上が「決まっている」状態になると、「何食べる?」という会話自体がなくなる。
詳しくは下記の記事で詳しく解説しているので興味ある方は見て欲しい。


④ 「ふたりのイベント」を意識的に作る
DINKsの日常はルーティンになりやすい。
月1の外食でも、半年に1回の旅行でもいい。「いつもと違う時間」を意識的に作ることが、関係をリフレッシュさせる。
うちが4年間「離婚」を口にしなかった理由
結婚4年目になる。後悔しているかと聞かれると、後悔はない。
DINKsという選択も、はるさんとの生活も、今のところ好きだ。
「離婚」という言葉を4年間使ったことがないのは、努力の結果じゃない。
今の生活が好きだから、という理由だけだ。
- お互いに好きなことができている
- 一緒にいて楽
- えいちゃんがいる
不満がまったくないとは言わない。でも「離れたい」と思う理由が、思い浮かばない。
DINKs夫婦の割合は年々増えているが、その多くが「話し合って選んだ」という共通点を持つ。この事実は、思ったより重い気がしている。
がく離婚を考えたことがないというより、考える隙間がない、って感じが近い。



これからもよろしくね。
まとめ
「DINKsの離婚率は子あり夫婦の5倍」というデータは、統計の作り方に欠陥があり、そのまま信じるべき数字ではない。
ただし、ストッパーがない・経済的に自立している・マンネリ化しやすいという構造的なリスクは実在する。
対策は4つ。年1回の気持ちの確認、家計の見える化、家事の総量を削ること、そして意識的にふたりのイベントを作ること。分担の公平化より、総量を減らすほうが夫婦の余白は増える。
うちが4年間「離婚」を口にしなかった理由は、努力じゃない。今の生活が好きだから、それだけだ。









